月別アーカイブ: 2013年5月

男高下駄について

男性桐高下駄

高下駄は下駄の歯が差し歯(歯を台に差込む構造のもの)で、普通の下駄より高さがある下駄の事で足駄とも呼ばれます。高さがあるため、履くと身長が高く見えるし、目線も高くなるので、視界が変わります。
私が現代屋に入社した頃、店舗では高下駄とは呼ばずに足駄と呼んでおりましたが、最近は足駄というより高下駄と呼ぶ方が一般的になってきてます。

弊社では、白生地極太鼻緒が付いた高下駄しか販売していなかったのですが、最近は黒ハイミロン極太鼻緒もすげるようになりこちらも人気があります。用途に応じて選ばれているようです。

高下駄大厚南州

品名 男性桐高下駄 足駄 白生地鼻緒
種類 ??? 品番 ??? size ??? 寸法(cm) ??? 価格(税別) ??? 履く方のサイズ
南州(薄歯) SG017 ??? M??? 24.2×10.5×9.6 ??? 5,500円 ?? 23~26.5cm
南州(薄歯) SG017L ??? L??? 25.7×10.5×9.6 ??? 6,000円??? 25.5~27.5cm
大厚(厚歯) SG018 ??? M??? 24.2×10.5×10 ??? 6,500円??? 23~26.5cm
大厚(厚歯) SG018L ??? L??? 25.7×10.5×10.3 ??? 7,000円??? 25.5~26.5cm
大厚(厚歯) SG018A ??? LL??? 27×10.5×10.5 ??? 7,700円??? 27~27.5cm

髙下駄の台には桐の木が、歯には歩行時の摩耗が少なく、歯の寿命も長い朴の木が使われます。

高下駄 大厚 豪傑

歯の厚い高下駄を、大厚、豪傑などと呼びます。高下駄大厚は応援団・調理師の方や高下駄が好きな方などが履かれております。私も中学生の時に高下駄が好きになり、母親から頂いて履いていたことがあります。北海道では旧帝大北海道大学応援団の方も履いてます。

高下駄大厚高下駄大厚

バンカラに愛用されていた

  • 歯の厚いものを厚歯と言い、特にバンカラと呼ばれた学生に愛用されました。
  • 旧制高等学校生徒が履いていたのもこのタイプで朴歯の高下駄と呼び、マント、弊衣破帽、高下駄が 高校生のシンボルとされました。
  • 金色夜叉で貫一がお宮を下駄で蹴り飛ばす場面で貫一が履いている下駄もこれです。
  • 「都ぞ弥生」の寮歌で知られる北海道大学の恵迪寮は、ぼろぼろな学生服に、破れた学帽、高げた姿の「蛮カラ」の代名詞となった寮で、恵迪寮の学生も履いていました。

高下駄 大厚4寸を猿田彦命に

高下駄の歯の高さは、通常2.5寸で、全体の高さは、10センチくらいです。弊社では、歯の高さが4寸の高下駄もオリジナルで造っており高さが15センチ弱です。この高下駄 大厚4寸は、ある神社の例大祭行列で猿田彦命に履かせる下駄として、高下駄大厚で15センチの高さの下駄の作成依頼を受けて作りました。そこの神社の猿田彦命になる方は、この高下駄で行列を歩いております。それ以降鼻緒白と黒をすげて販売しております。高下駄 足駄 猿田彦

品名男性桐高下駄 大厚4寸(特高2本歯)白生地鼻緒
品番 ??? size ??? 寸法(cm) ??? 価格(税別) ??? 履く方のサイズ
SG023 ??? M??? 24.2×10.2×14.6 ??? 8,000円 ? 23~26.5cm
SG023L ??? L??? 25.7×10.2×14.6 ??? 8500円 ?? 25.5~27.5cm

高下駄4寸歯

品名男性桐高下駄 大厚4寸(特高2本歯)黒生地鼻緒
品番 ????????? size ??? 寸法(cm)??? 価格(税別) 履く方のサイズ
SG023k ??? M? 24.2×10.2×14.6? 8,500円??? 23~26.5cm
SG023kL ? L? 25.7×10.2×14.6 ? 9000円 ?? 25.5~27.5cm

弊社通販サイト「下駄 草履 雪駄 鼻緒の通販 現代屋」の
男性桐高下駄 朴歯下駄 天狗下駄 一本歯下駄(一本下駄)」ページから購入できます。
http://www.gendaiya.co.jp/s_sgtakagetatengu.htm


傷ついた鎌倉彫右近下駄をカシュー油性塗料を塗って補修しました

傷ついた鎌倉彫右近下駄を塗料を塗って補修

男性鎌倉彫右近下駄

私が履いている鎌倉彫右近下駄を塗料を塗って補修しました。上の下駄の画像がその下駄ですが、これは新品時の画像です。
この下駄は、店舗で履く下駄で2008年から履いていて今年で5年目です。店舗で履く位なのでそんなに痛みませんが、5年も経つと、かなり側面や角が傷ついて塗料も剥がれてきております。このままでは、さらに剥がれてくると思うので塗料を塗って補修しました。使用した塗料はカシュー油性塗料です。この下駄に合う色が無かったので、えび茶と焦げ茶のカシュー油性塗料を混ぜて色を作り塗りました。

前回のブログ、傷ついた下駄を自分で補修する http://www.gendaiya.co.jp/blog/geta/getanohosyuu
に補修方法、補修材料について説明しておりますが、その方法で補修しました。

補修前の状態

下駄のつま先側と角の上下、側面の下側など塗った部分が剥がれてきてます。放っておくとさらに同じ箇所をぶつけたり擦ったりするので広がるおそれがあります。

鎌倉彫右近下駄鎌倉彫右近下駄

鎌倉彫右近下駄 鎌倉彫右近下駄

補修完了

カシュー油性塗料の焦げ茶とえび茶を混ぜて色を作り、剥がれた箇所に塗りました。塗るのも三度塗り位してます。部分的にえび茶や焦げ茶を塗って鎌倉彫の塗りに近いように塗ってます。塗った後は丸一日乾かします。

鎌倉彫右近下駄??鎌倉彫右近下駄? 鎌倉彫右近下駄 鎌倉彫右近下駄?? 鎌倉彫右近下駄 鎌倉彫右近下駄

塗料で補修したので表面はかなりきれいになりました。近くで見ると補修した部分がかなり艶が出るので、していないところと比べると艶有と艶無しがはっきり目立ちますが、私はその違いはあまり気にしないのでこれでOKです。


傷ついた下駄を自分で補修する

傷ついた下駄の補修について

男性鎌倉彫右近下駄

履物は履いているうちに擦れたりぶつけたりして傷がついてきます。
下駄は木で出来ているので、ぶつけるとその部分が引っ込んで傷つきます。
堅い物にぶつけた場合は、割れたり、欠けたりする事もあります。
弊社ではこのような下駄の補修の修理はやっておりません。また他の下駄屋もたぶんこのような修理はやっていないと思います。ですから、傷ついたまま下駄を履いている方も多いと思いますが、私は自分でその部分を補修して履いております。
下駄は消耗品ですが、消耗するまで見た目も良く気持ちよく履けるのでそうしております。

ここで説明する補修方法は私が下駄を履くようになってから、下駄の補修になにか良い方法はないかと考えて、木工品の補修剤と塗料を購入してやり始めた方法です。

補修する材料は、ホームセンターなどで販売されている木材の補修剤と塗料を使っております。私が使用している補修剤塗料を紹介しておりますが、実際に補修する場合は、これにこだわらずにホームセンターなどで気に入った物をお選び下さい。

下駄の欠けた・傷ついた部分を木工ボンド・ウッドパテで補修

大きくかけた場合は、そのかけた破片がある場合は、その破片をを欠けた部分に木工ボンドで接着します。隙間がある場合は、ボンドウッドパテを埋めて固めます。

ウッドパテ

小さな傷やちょっとした引っ込みがある場合は、その部分にボンドウッドパテを入れて平坦にして固めます。
色は白タモとラワンがあるので、色が合う方で行います。
その後、一日以上立ってからはみ出している部分を紙ヤスリなどで削って表面を平坦にします。
これで表面の欠けた部分や引っ込んだ部分の補修は終了です。
白木下駄下駄の場合は、トノコを塗ると良さそうですがそこまではしておりません。
そのままにしてます。

下駄の塗料が剥がれた部分を塗料を塗って補修する

黒塗りや木目焼き、鎌倉彫など色が付いている下駄は、長く履いているとぶつけたりしてどうしても表面の色が剥がれて白木の部分が見えるようになります。見た目が良くなくなり、剥がれが広がってくるので、それを止めるためにも同じ様な色を塗ります。そうなる部分は下駄の角の部分やつま先側、下駄の裏側などが多いです。これから紹介する私が使っている補修剤はホームセンターで見つけた物です。

板目焼き下駄は、同じ色になるように、「住まいのマニキュア」のダークブラウンや焦げ茶を塗ります。

住まいのマニキュア ダークブラウン 焦げ茶

黒塗下駄は、黒い塗料を塗ります。
一番簡単なのはマジックインキです。ただし艶が無く、色落ちもします。
これよりもいいのは、「チョット塗りtouchup PAINT 小傷補修用筆付ペイント」で色を付けます。これは小筆がキャップ側に付いてますので、手軽に塗ることが出来ます。

チョット塗りtouchup PAINT 小傷補修用筆付ペイント

本格的に塗料を塗る時は、「カシュー油性漆塗料」を使用しております。これの黒を塗ります。
鎌倉彫下駄は、色に応じた、「カシュー油性漆塗料」を塗ります。色が合わない場合は、色を混ぜて作り塗ります。他にも木部塗料はたくさんあると思いますが、この塗料は艶があるので、私はこれを使ってます。漆塗料なので漆負けする方には良くないかもしれません。また、艶無しの塗料がよい方は艶のない他の塗料を選んで下さい。

下駄の補修の仕方や補修材料などを説明しましたが、カシュー油性塗料一個の価格がたしか7~800円くらいして、補修に塗る量が少なく、私の場合は塗料は少ししか減っておりません。コストパフォーマンスを考えると、ここまでする必要があるかどうかの価値観はその方の考え方次第で、それならそのまま下駄を履きつぶして補修する費用を次の下駄の購入に当てた方が良いという方もいると思います。

「カシュー油性漆塗料」カシュー油性漆塗料


軽装履のい草雪駄草履を履いた時の注意点

い草雪駄草履を履いた時の注意点

男性い草表雪駄(OM底 藍染鼻緒)今年も徐々にですが暖かくなって、これから夏に向けて、
天然素材のい草の草履・雪駄を素足で履く季節になってきましたね。
い草表の雪駄・草履は、足を乗せる表面が畳に使われるい草で出来ているので、
夏涼しく、冬暖かいです。足の裏も熱を持ちにくく、蒸れにくいです。
ぜひ、い草の雪駄、草履をご愛用下さい。
ところで、このい草の草履は、晴れた日に普通に歩いている分には直ぐに傷むことはございませんが履き方によっては表面のい草が1ヶ月も経たないのに駄目になったケースがございましたのでご紹介します。

今回のい草の表面が駄目になった例は、
つま先側に力が入る動作を繰り返ししたためです。
今回のケースは、
マニュアルの車で、クラッチを頻繁に斜めに力を入れて踏んでいて起こったそうです。
そもそも雪駄を履いて運転は、道路交通法では認められておりません。
クラッチを踏む動作でつま先方向に力が入り、表面のい草がずれてしまいました。

このような動作は、い草を間違いなく痛めます。

たとえば、綱引きとか、車を押すとかのつま先や足の鼻緒を挟む部分に体重が加わり
い草の表面にずれが生じるような動作はお止め下さい。その様なときは他の履物をお履き下さい。

以下が今回の例で、痛んだい草雪駄です。御覧ください。

まだ購入して1ヶ月経っていない雪駄ですが、つま先部分に力が入る動作が集中したため、い草の部分がずれてしまい、ひどい部分はい草が剥けてきております。このような動作や行為の場合は,い草以外の雪駄を、たとえば、表面が丈夫なビニール黄畳表雪駄などをお履き下さい。

?い草雪駄 い草雪駄

もしもこのようになってしまったら、これを直す方法はございません。

い草表の雪駄・草履は、足の裏も蒸れず快適です。ぜひ、い草の雪駄、草履をご愛用下さい。

弊社通販サイトの以下のページから購入できます。

履き心地の良い男性軽装履き い草雪駄を販売

履き心地の良い男女兼用軽装履-い草草履を販売


下駄を長く愛用するため歩くときに注意する事

下駄を履いて歩くときに注意する事について

5月になり、下駄を履いて歩くのが気持ちよい季節になってきました。下駄は健康にも良いので、ぜひ履いて歩いてほしいものですが、長く愛用するには歩くときに注意することがございます。

海賊旗仕様右近焼き下駄

下駄は普通に歩いている分には直ぐに壊れることはなく、履いていて底や歯などが消耗していって寿命を全うします。
しかし、靴と違い木で出来ているため、履いて歩くときに注意する事があります。
下駄は、木で出来ているので、硬いところにぶつけると、木が欠けたり、割れたり、傷ついたりします。
普通に歩いている分には、直ぐ壊れたりすることはないのですが、衝撃、片方だけに加重、敷居や段差があるところでぬじれが加わった加重、部分的な加重などに弱いです。
下駄の一番薄い所などにそのような加重がかかると新しい下駄でも割れてしまうことがあります。
どんなときに壊れやすいか具体的にご説明します。

石、階段、エスカレーターなど堅い物にぶつけると、簡単に欠けたり、傷つきます。
これは、主につま先か踵側をぶつけやすいので、そのような場所では十分気をつけてお歩きください。

砂利道、それも玉砂利のような大きめの砂利道を歩くときは要注意です。
下駄の接地する部分の縁などが砂利で傷つきやすいです。底に細かい石が当たり下駄の歯が欠ける場合もございます。
また堅いでこぼこ道、敷居なども下駄がねじれて加重がかかりやすいので、気をつけてお歩きください。
段差がある敷居は踏まずに、必ずまたいで下さい。
砂利道、でこぼこ道、敷居、階段は要注意の場所です。

階段や乗り物の降り口など比較的段差の高いところから歩いて降りるときも要注意です。
片方側の下駄の底や歯の前だけに、全体重が加重されて、右近下駄の場合は、一番薄い真ん中辺が割れることがあります。、日光下駄や芳町下駄も薄い真ん中辺が割れるか、前の歯が割れたり、取れたりする事があります。

下駄を履いて自転車のペダルをこがないでください。ペダルをこぐときの衝撃で裏側が抉れてきます。
ペダルが、下駄の一番薄いところに体重がかかり、割れてしまう原因になります。

下駄を履いて走るのも、歩いているときの何倍も衝撃が加わりますので出来るだけ走らないで下さい。
割れたりする原因になります。

滅多にいませんが、喧嘩の道具にする人がいます。下駄を手に持って叩いたりすると下駄の一番薄い所から割れてしまいますのでその様な事は絶対にしないで下さい。

下駄への衝撃と一部分の加重は破損の原因となりますので十分に気を付けて下さいませ。

以下の画像は、走ったり、自転車に乗ったりして履いて1ヶ月くらいで壊れた男性鎌倉彫右近下駄です。
御覧ください。

鎌倉彫右近下駄

下駄の裏側を見ると自転車のペダルをこいだ後がございます。塗装が取れて削れて弱くなり、ぬじれや片方だけに加重が加わって割れてしまいました。
板鎌右近下駄

このようになっても鼻緒はまだ使えますので、下駄の台だけを購入していただいて作り直すことが出来ます。

下駄 草履 雪駄 鼻緒の通販 現代屋 は、下駄の台だけでも以下のページから購入することは可能です。

男性下駄台