傷ついた下駄の補修について
履物は履いているうちに擦れたりぶつけたりして傷がついてきます。
下駄は木で出来ているので、ぶつけるとその部分が引っ込んで傷つきます。
堅い物にぶつけた場合は、割れたり、欠けたりする事もあります。
弊社ではこのような下駄の補修の修理はやっておりません。また他の下駄屋もたぶんこのような修理はやっていないと思います。ですから、傷ついたまま下駄を履いている方も多いと思いますが、私は自分でその部分を補修して履いております。
下駄は消耗品ですが、消耗するまで見た目も良く気持ちよく履けるのでそうしております。
ここで説明する補修方法は私が下駄を履くようになってから、下駄の補修になにか良い方法はないかと考えて、木工品の補修剤と塗料を購入してやり始めた方法です。
補修する材料は、ホームセンターなどで販売されている木材の補修剤と塗料を使っております。私が使用している補修剤塗料を紹介しておりますが、実際に補修する場合は、これにこだわらずにホームセンターなどで気に入った物をお選び下さい。
下駄の欠けた・傷ついた部分を木工ボンド・ウッドパテで補修
大きくかけた場合は、そのかけた破片がある場合は、その破片をを欠けた部分に木工ボンドで接着します。隙間がある場合は、ボンドウッドパテを埋めて固めます。
小さな傷やちょっとした引っ込みがある場合は、その部分にボンドウッドパテを入れて平坦にして固めます。
色は白タモとラワンがあるので、色が合う方で行います。
その後、一日以上立ってからはみ出している部分を紙ヤスリなどで削って表面を平坦にします。
これで表面の欠けた部分や引っ込んだ部分の補修は終了です。
白木下駄下駄の場合は、トノコを塗ると良さそうですがそこまではしておりません。
そのままにしてます。
下駄の塗料が剥がれた部分を塗料を塗って補修する
黒塗りや木目焼き、鎌倉彫など色が付いている下駄は、長く履いているとぶつけたりしてどうしても表面の色が剥がれて白木の部分が見えるようになります。見た目が良くなくなり、剥がれが広がってくるので、それを止めるためにも同じ様な色を塗ります。そうなる部分は下駄の角の部分やつま先側、下駄の裏側などが多いです。これから紹介する私が使っている補修剤はホームセンターで見つけた物です。
板目焼き下駄は、同じ色になるように、「住まいのマニキュア」のダークブラウンや焦げ茶を塗ります。
黒塗下駄は、黒い塗料を塗ります。
一番簡単なのはマジックインキです。ただし艶が無く、色落ちもします。
これよりもいいのは、「チョット塗りtouchup PAINT 小傷補修用筆付ペイント」で色を付けます。これは小筆がキャップ側に付いてますので、手軽に塗ることが出来ます。
本格的に塗料を塗る時は、「カシュー油性漆塗料」を使用しております。これの黒を塗ります。
鎌倉彫下駄は、色に応じた、「カシュー油性漆塗料」を塗ります。色が合わない場合は、色を混ぜて作り塗ります。他にも木部塗料はたくさんあると思いますが、この塗料は艶があるので、私はこれを使ってます。漆塗料なので漆負けする方には良くないかもしれません。また、艶無しの塗料がよい方は艶のない他の塗料を選んで下さい。
下駄の補修の仕方や補修材料などを説明しましたが、カシュー油性塗料一個の価格がたしか7~800円くらいして、補修に塗る量が少なく、私の場合は塗料は少ししか減っておりません。コストパフォーマンスを考えると、ここまでする必要があるかどうかの価値観はその方の考え方次第で、それならそのまま下駄を履きつぶして補修する費用を次の下駄の購入に当てた方が良いという方もいると思います。