創業者 高野慶次
創業者 祖父 高野慶次は、北海道に夢を託し、単身で乗り込んできた人だ。出身は新潟県佐渡。先輩が札幌で商売に成功していたことがその動機であり、18才で樺太がよいの津軽丸に乗って小樽に上陸したのは大正七年六月末だった。
先輩の元についた祖父は、芦田商会という履物問屋に入った。一週間ぐらい手伝って見ろ、うまくなかったら他に世話をするという先輩のすすめであり、これが、履物専門店現代屋への出発点となった。
この問屋では道内小売店への出張が主な仕事、見本をかついで全道を飛び歩きの生活が続いた。一ヶ月のうち二十五日は出張していたという。履物の知識を一通り覚えた祖父は、将来の独立を考え、雑貨店「カネキ長谷川商店」に勤務替えした。
履物だけでは心細いということと、多少嫌気もさしていたそうです。
履物問屋、雑貨店には十余年勤務した祖父が待望の独立をしたのは昭和八年三十才の時であり、場所は狸小路６丁目の博品館だった。
何の商売をするか、いろいろ考えたが、結局仕事を知っているということで履物を選んだ。当時の家賃は六十五円だったが、これまでの貯金は四千円以上あり開店準備に不足はなかった。
 六丁目から三丁目に移転したのは昭和十年、三丁目に老夫婦で営んでいる小鳥屋さんがあり、高野さんになら店舗を貸してもいいよということとなり、狸小路３丁目に出店。
当時札幌市内に履物店は百軒を越えていた時代だが、市の中心街に店舗を構えた祖父は新しい経営方針を打ち出し、 たちまち市民の話題を集めた。チンドン屋を使用して現代屋の名を宣伝、また当時の履物屋は下駄の台と鼻緒を陳列して台と鼻緒を決めてから鼻緒をすげて販売というのが一般的だったと思いますが、あらかじめ鼻緒をすげた下駄などを店頭に履物を陳列し、好きな物を自由に選択させる商法も父祖の創意だった、このほか、店から畳を廃止して椅子を採用したり、当時では珍しい正札販売を行う
というわけで業績も驚異的に伸び、昭和十五年ころには東北、北海道一の売上を記録した。
 昭和３７年には、北海道初の大型共同店舗『サンデパート』の建設に着工するため約３０年の店を一時閉じて周辺の商店と共に共同ビルの建設に参加。
これを気に靴部門を新設、はきものの総合的な販売に乗り出した。
下駄草履は一階に、靴は２階に売場があり、品物をより豊富に揃えることで専門店としての特徴を売ると共に、デパート全体の繁栄に協力していきたい。と祖父は語った。
そのころ、店の経営は父に任せ、祖父は北海道履物組合長、サンデパート協同組合役員としての仕事が忙しい毎日だった。
そんな父祖も９０才で他界。
私が、家業現代屋に入社し１年半後のことでした。
私は、大学を卒業して、食品系の中小企業に入社、２年半たった頃、札幌一部上場企業の同業他社に誘われて転職、契約社員として働いていたが３年目に正社員となり、仕事も楽しくこの会社をやめるつもりはまったくなかった。家業に入る気も無かったが、私が２６〜２７才の時に、母親が病気になり、命がもう長くないと言われた時期に、母より家業に入って欲しいと頼まれたため家業を継ぐ事を決めた。
母親が亡くなった後、務めていた会社を退社し、現代屋入社。
私が家業に従事したことで創業者の父祖も、２代目の後を継ぐ者が出来たことでとりあえず一安心していたのではと思う。
店名の由来
履物屋としては、後発だったため、今までの履物屋の既成概念にとらわれずに新しい店づくりをするという思いを込めたのと、時代がどんなに変わってもその時代に立脚する限り、現代である。という思いを込めて名付けたようです。
|
