下駄、草履、雪駄に鼻緒をすげる時に使用する道具
履物屋専用の道具は、あまり目にする機会がないと思います。ここに紹介する道具は、弊社で所持している下駄、草履、雪駄を作成する時に、使用している(使っていないものも含まれてます。)道具類です。古い道具は昭和初期・中期から使用している道具で今現在入手不可能なものがほとんどです。道具の呼び名は地域などにより違うようです。
左から、
- 金槌 釘を叩いたりするときに使います。
- やすりくじり 下駄の鼻緒を通す穴が小さいときや表面の穴が開いてないときにこれで開けます。
- くじり 鼻緒の端を処理するときや鼻緒の麻(ひも)を操作するときに使います。
- 鼻緒伸ばし 鼻緒を伸ばすときに使います。
横坪通し(緒通し)
上の2点はどちらも畳表の雪駄・草履・下駄をすげるときに後緒を通す時に使う道具です。上側が古いもので下側は10年前くらいに手に入れたものです。上側の道具は今は手に入らないようです。どちらも部分的に外れるようになっております。新しい緒通しを手に入れてから古いタイプは使わなくなりました。
鼻緒引き(緒伸ばし)
鼻緒の前緒をすげて前坪を引っ張るときに使用する道具です。坪引きとも言うようです。
上側は弊社に昔からある道具でこれを使ってます。今は手に入りません。下側は今年手に入れましたが、もう手に入らないそうです。
穴あけ
雪下駄や防寒クインの爪掛けの巻き金、下駄の前金に穴を開けるときに使用する道具です。
万年機(又釘刺し)
草履・雪駄の裏を又釘で止めるときに金槌で打たなくても打つことが出きる道具です。上側の道具は古く同じ物は今は手に入りません。下側は新しい物です。先の形状が違います。これも入手不可能のようです。弊社では、この道具はあまり使わないです。下駄の爪掛を留めるときに使うくらいです。直接角鋲を金槌で打ち付ける方が釘の位置を決めやすいので、この道具は使わずそのまま打ってます。
うずくり
下駄の表面にろうをぬり、それをならす道具です
鉄道のレール
本物の鉄道のレールです。金槌でたたくときの台に使用します。
丸太の台
丸太を20センチくらいに切った台です。 直径35センチくらいです。
千枚通し・金へら・かにフォーク
上からかにフォーク・金へら・千枚通しです。下駄屋で使う道具ではございませんが、有るといろいろと役に立ちます。
ミニリューター
ミニリューターとは高速ミニグラインダーの事です。もともとミニルーターと呼んでいたようですが、インターネットのルーターと違いを出すためにリューターと呼ぶようになったそうです。私が購入したリューターの箱にはミニルーターセットとかかれておりました。リューターは先端部のビットを換えることでガラス、彫金・木工作、金属研磨、サビ落とし、金属切断などの用途に使用されます。弊社では主に草履の芯や雪駄の芯の穴を広げる時の研磨に使用します。 100円では買えませんが、100ショップでも安価なリューターが販売されております。ホームセンターなどではスピードコントロールがついているものが、数千円から高い物は数万円で販売されております。